アイツが俺に託していったもの

今日部屋の掃除をしていたら

今年早くに亡くなったアイツから預かっている

高校の卒業アルバムが目についた。

ずっと気になっていたが

気にしないふりをしてずっと見ていなかった

卒業アルバムの一番後ろに貼り付けてあった

「罰」

と書いてある封筒。

どんなことが内容なのか。

思い切って開けてみた。

中には

”あて所に尋ねあたりません”

と押された封筒が一通。

「罰」なんて書いてあるから

何をしたためているのか少しドキドキしながら
その封筒を開けてみた。

そこには懐かしい筆跡と、アイツらしい

優しく、相手のことを思ってとても

遠慮した内容。

深い推測は控えるが

「罰」としたのは

出してはいけない手紙を勇気を出して投函してみたが

戻ってきたということは

やはりやってはいけないことだったのだ

と、勝手に結論付けた故だろう。

弔いかねて

その内容をここに記します。

伝えたかった人にいつか届きますように。

『拝啓

すっかりご無沙汰しておりますうちに、ひときわ

冷えこむようになりました。ご多忙のことと存じますが

お風邪など召されていませんか？

先日の同窓会でお会いすることができ

とても懐かしく想いにふけりました。来年も同窓会を

行う予定です。次回は楽しく、たくさんお話ができたら

と思います。それではお互いに健康に留意して、一年間過ごしましょう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具』